■学者はインドが米国を模倣して対中封じ込め戦略の落とし穴に陥る可能性を警告
インドZEEニュースのウェブサイトは21日、「ONGCが南中国海の係争海域で計画している資源開発に対して、中国政府は『異常に強硬に』反対しているが、インド政府に計画をあきらめる考えはない。一方で、インド政府としてもこれが原因で両国関係が本当に破壊されることは望んでいない」との消息筋の話を伝えた。
一部インドメディアはかつてと同様に「中国への対抗」の過熱報道を連日来繰り広げているが、冷静に考え始めているインド人学者も一部にいる。ラーマン元インド内閣特別秘書官は18日、ウェブサイト「Eurasia Review」に「インドは米国でさえ深入りしていない南中国海に軽率に足を踏み入れるべきではない」とする論説を載せた。ラーマン氏は「インドがベトナム側の誘いを受け、ベトナムが主権を宣言する鉱区の石油・ガスの採掘に参加するとの報道が事実なら、インド政府の考えは非常に浅い。中国は一貫して、南中国海の係争海域でのベトナムによる資源採掘に強く反対しており、インドによる採掘活動にも反対するに違いないからだ。実際、ベトナムが石油探査活動に対する中国の妨害に効果的に対抗することは不可能だし、インド企業に万全の保護を提供することもできない」としている。
ラーマン氏は「米国も南中国海全体に対する中国の主権要求に一貫して反対しているが、南中国海係争に直接巻き込まれてはいない。米国は中国との正面対立が正反対の結果を招きうることを知っているからだ。南中国海におけるインド海軍の実力と展開力は米国に遥かに劣る」と指摘する。
インドの元外交官バドラクマール氏は21日、デカン・ヘラルド紙で「インドの政策決定者は、米国を模倣した結果、いつでも対中封じ込め戦略の落とし穴に陥る可能性があることを警戒すべきだ。どの国のエネルギーへのニーズも間違いではないが、現在の問題は、目下生じた緊張がすでに単なるエネルギー安全保障を超えて、中国を刺激する方向へ向かっていることだ」と指摘した。
「人民網日本語版」2011年9月23日