中国はこれまで一貫して人類への一層の貢献を志してきた。たとえ貧しく立ち後れていた時でも、精神的な追求は放棄しなかった。中国は大国であり、その発展が全方位的なものとなることは宿命だ。中国は独自の宇宙計画を持っており、天宮1号の打ち上げはこの上なく正常な事だ。経済成長パターンの転換という重大な課題を前に、中国は科学技術革新をことのほか重視し、予算も拡大し続けている。先端技術分野でのブレークスルーは今後もあるし、ますます増えるかもしれない。
どのような実力を持とうと、それは中国を観察する上での一面に過ぎない。より重要なのは、その実力をどう運用するかだ。天宮1号打ち上げを見て、中国が宇宙空間に戦陣を配置する実力を持つかどうかを考えるのは、全く賢明でない。中国は宇宙空間の軍事化と軍拡競争に断固反対している。これは覇権を争う道を歩まず、平和的発展を堅持するという戦略によって決定づけられている。自国の宇宙ステーションを持ったからといって、宇宙の平和利用という原則的立場を変えることはない。「強くなった国は必ず覇権を求める」というのは欧米が深く信じて疑わない戦略理論だが、これに基づき中国の平和的発展の結果を「計算」しては間違えるに決まっている。
約40年前、米ニューズウィーク誌は「ピンポン外交」に関する記事の最後に「中国が他国と同様に自らの困難や雄志を抱えていることにわれわれが気づかなければ、米中関係を現実の中に引き戻すことはできない」との専門家の言葉を引用した。この言葉は今なお深く現実的な意義を持つ。
「人民網日本語版」2011年9月30日