米国に南中国海で武力を行使する勇気はない

米国に南中国海で武力を行使する勇気はない。 米国はベトナムに続き、フィリピンとも南中国海で軍事演習を始めた。これまで同様、双方は中国が標的ではないと白々しい主張をしている。こうした小国が中国に牙を剥くのは身の程知らずだし、米国にも南中国海で中国との軍事衝突を自ら始める度胸はないというのに、くだらないことだ…

タグ: 米国,南中国海戦略,戦争

発信時間: 2011-10-28 09:37:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

米国はベトナムに続き、フィリピンとも南中国海で軍事演習を始めた。これまで同様、双方は中国が標的ではないと白々しい主張をしている。こうした小国が中国に牙を剥くのは身の程知らずだし、米国にも南中国海で中国との軍事衝突を自ら始める度胸はないというのに、くだらないことだ。(文:龍韜・中華エネルギー基金委員会戦略アナリスト。「環球時報」掲載)

第1に、米国にとって南中国海戦略の大目標は、戦争も和解もない状態を継続することだ。

アジアにおける海洋紛争の当事国でもない米国が、なぜこれほど積極的に介入するのか?これはそのグローバル戦略によって決定づけられている。米国は長年来、地域の抑制均衡戦略によって全世界を管理してきた。すでにアジアでは中国と日本、中国とインドの間に不和を引き起こしたうえ、台湾海峡情勢に干渉し、朝鮮半島に緊張をもたらすことに成功した。だがそれだけでは中国の発展を妨害・阻止するには不十分と見て、東南アジア諸国を動かして中国に面倒をかけようとしている。南中国海だけでなく、アジア全体において米国が最も望むのは、各係争国が和解も戦争もせず、絡み合って一団となり、互いに米国に助けを求めに来ることによって、漁夫の利を得るという状態だ。一方、最も懸念するのはこうした危うい均衡がどこかの国により破られることだ。この場合、米国はどちらの側につくかの選択を余儀なくされるし、どの側につこうとも代償を支払わなければならなくなる。そのため地雷原を歩くように、中国が戦略上譲れぬギリギリのラインを注意深く探っているのだ。中国が剣を抜かない限り、米国はフィリピンなどの小国を少しずつ前に押し出す。だがいったん中国が激しく反応すれば、ただちに手を引っ込めるのだ。米国がこうした小国に決して許さないのは、武力反撃を招くほど中国を強く挑発することだ。自国が武力衝突に巻き込まれることは、もちろん望んでいないのだ。

第2に、米国に新たな戦争を発動する力はもうない。

「スマートパワー」はさておき、現状から論じるなら、たとえそれを望んでも米国には南中国海で中国に武力を行使する力はない。20年続いた戦争ですでに疲弊し、金融危機まで生じている。今年初めのリビア動乱では、参戦はしたものの疲弊はあきらかで、これまでは自分で買って出ていた戦争の指導権を丁重に譲った。オバマ大統領が前任者より平和を愛しているからではなく、情勢に太刀打ちできなかったのである。

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