中国中央銀行通貨政策委員を務める清華大学の李稲葵教授は「中国にとってEUは最大の貿易パートナーであり、欧州支援は長期的利益に合致する。だが中国政府にとって現在必要な仕事の1つは、このような危難の時期に欧州を支援しなければならない理由をどう国民に説明するかだ」と指摘する。
中国人民大学国際関係学部の唐海華講師は「中国の民衆は現在の国際システムにおけるEUの重要性への認識が往々にして不足している。中国と欧州が互いを見る際、しばしば理性を欠いてしまうのには、双方のメディアにも一定の責任がある。受け手の好むマイナス面に迎合してばかりの手法は、双方の良好な協力を潜在的に脅かすことになる」と指摘する。
中国とEUが理性的に互いを捉える仕組みの構築について、中国人民大学国際関係学部の孫竜教授は「中国を例に取ると、民衆とエリート層とでは中国・EU関係における問題の多くについて認識を多少異にする。エリート層の中でも、重要な判断において政府幹部、専門家、学者、メディアの間で違いがある。このため各層ごとに狙いを定めた努力が必要となる」と指摘する。
「人民網日本語版」2011年11月1日