上海協力機構の第10回首相会議が6日、サンクトペテルブルクで開幕した。今年のアスタナサミットでの合意の実行、上海協力機構の枠組みでの安全保障・経済・人・文化協力についての検討、今後10年間の発展計画の策定が中心議題となる。世界経済に二番底入りの恐れがある中、経済協力を一層強化し、厳しい試練に共同で対処することが上海協力機構に差し迫って求められている。(文:陳玉栄・中国国際問題研究所上海協力機構研究部主任。「人民日報海外版」コラム「望海楼」掲載)
今回の会議は重い課題を背負っている。現在国際・地域情勢は複雑に錯綜し、中央アジア地域は安全保障・経済成長面で新たな試練に直面している。情勢を冷静に分析し、複雑な要素を全面的に整理し、適切な対策を探り、金融危機の悪影響をさらに取り除くことが今回の会議の使命であり、各国もこれを期待している。上海協力機構は経済危機対策協力において、すでに多くの成功を収めている。2008年に世界金融危機が発生すると、加盟国は連携して対応策を定め、実行した。加盟国は集団の力によって危機を乗り越え、各国経済は回復し始めている。
上海協力機構は創設から10年来、中央アジア地域の安定と地域経済の発展を常に2大任務としてきた。中央アジア諸国の経済的繁栄と成長は地域の安定を実現する上で重要な前提条件であると同時に、上海協力機構の持続的発展の物的基盤でもある。上海協力機構のサミットと首相会議では、加盟国の経済成長と地域の経済協力の促進がいつも中心議題として話し合われてきた。早くも2003年には「上海協力機構加盟国多国間経済貿易協力綱要」を採択。その後、首相会議での「『多国間経済貿易協力綱要』実行措置計画」など綱領的文書の調印を経て、優先的協力分野や重点協力事業が定められたほか、貿易・投資円滑化プロセスの推進が最重要課題として位置づけられた。各首相会議は経済協力を力強く促してきた。
上海協力機構は交通・エネルギー・通信・農業を優先的協力分野と定め、一定の成果を上げ、加盟国の経済成長を着実に後押ししてきた。近年、中央アジア諸国ではインフラの整備が急速に進んでいる。「中国、キルギスタン、ウズベキスタン道路プロジェクト」に伴い、道路状況は次第に改善されてきている。これは輸送能力の強化のみならず、沿線の人的・貿易往来の増加にも寄与するものだ。