中国インターネット協会とマイクロソフト社が共催する第5回「中米インターネットフォーラム」が7、8両日、米ワシントンで開催され、中米両国の代表180人余りが出席した。中国側代表は会期中、「いかなる形式のサイバー戦争やサイバー空間の軍備拡大競争に反対する」との明確な立場を示した。中国国営の通信社「中国新聞社」が報じた。
同フォーラムでは、中米両国の代表者がインターネットサービス提供者の社会責任、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の発展、インターネット・ガバナンス、安全などの議題をめぐり、意見を交換。
国家インターネット情報事務所の銭小●副主任(●はくさかんむりに千)は基調演説の中で、「中国のインターネットは自身の脆弱性に加え、国外からのインターネット攻撃が日に日に増えていることで、世界でハッカー攻撃の主要な被害国になっている。2010年には前年比1620%増の約450万台のホストコンピュータが、国外のIPアドレスを発信元とするトロイの木馬に支配された」と述べた。
銭副主任はさらに、「中国はいかなる形式のハッカー攻撃、サイバー戦争およびサイバー空間での軍備拡大競争にも反対する」と強調。
「中国などの途上国はサイバー空間で自身の安全を確保する能力が先進国に比べはるかに劣っているが、直面している安全の脅威は先進国より大きい」とし、「米国を含む世界各国と協力を深め、ともにサイバー空間の安全を守って行きたい」と述べた。
また「多くの国の近年の状況を見れば、インターネットに対して、急速な発展を積極的に後押しするとともに、効果的な管理方法を採らなければならないことは明らか。その点、中国政府は終始、法に基づくインターネット・ガバナンスを実行し、各利害関係者もそれに参加するよう呼びかけてきた」と指摘。
このほか、銭副主任は中米両国が互いに尊重、信頼し合い、インターネットが両国に利益をもたらす架け橋のような存在となるよう何ができるかに関して以下の3つの提案をした。▽互いに尊重し合い、理解を深める。互いの相違に目を留めたり、相違が生じるようかきたてたり決してするべきではない。率直な対話を通して、互いに尊重・配慮を示し、互いの共通点を見つけ出し、共に協力と発展を目指す▽各自のメリットを発揮し、実務協力を推進する▽共にサイバー犯罪撲滅に励み、サイバー空間の安全を守る---。
中国の張業遂駐米大使もあいさつの中で、「中米関係は世界において最も重要で活力ある二国間関係になっている。中米関係は『ゼロサムゲーム』ではないし、今後もそうするべきでもない。中米両国がサイバー問題において対話・協力を強めることは、両国だけでなく世界のインターネットの発展のために非常に重要」と指摘。
一方、米国代表のロバート・D・ ホーマッツ国務省次官は基調演説の中で、「近年、米中両国の政府は戦略・経済対話や定期的な会談を通じて、共に注目しているさまざまな問題について話し合い、米中関係の発展を促進してきた」と今回のフォーラム開催を高く評価し、「両国がインターネットの分野で引き続き率直な対話・協力を深めていくことを願っている」と指摘。
2007年11月より毎年開催されている同フォーラムは、中米両国のインターネット業界の交流と協力促進を目的としたプラットホームとなっている。
「人民網日本語版」2011年12月12日