内閣改造前の打診時、岡田氏は副総理就任について、小沢一郎グループの反発を懸念して慎重姿勢を崩さなかった。メディアにも副総理就任は「小説の世界だ」と答えていた。輿石東幹事長に説得されてようやく就任に同意したのは、改造前日の夜だった。
一体化改革の推進は、すでに与野党各党の幹事長が協議しており、議員定数の削減、国家公務員の給与引き下げについても、政調会長レベルで各党の協議が始まっている。民主党議員は「岡田氏の起用で改革への野田首相の決意は伝わってきたが、岡田氏が具体的に何をやるのかはまだ不明だ」と非公式な場で述べた。「消費税問題は非常に難しく、首相一人では推進できないので、岡田氏は楯にされたのかもしれない」とする報道もある。
■内閣支持率も上がらず
今回の内閣改造では5大臣が交代し、残る12人が留任した。野田首相は最強の布陣と表明したが、共同通信が13、14両日に行った全国緊急電話世論調査では、内閣支持率は35.8%にとどまり、7、8両日の前回調査からわずか0.1ポイント上昇しただけだった。
読売新聞の世論調査でも支持率に回復傾向は見られず、内閣改造を「評価しない」が49%で、「評価する」は35%にとどまった。内閣改造による政権基盤固めという野田首相の狙いは、まだ効を奏していないようだ。野田首相が断行を決意している消費税増税についても、「国会議員の定数と国家公務員の給与を削減しないのなら、増税すべきでない」との回答が79.5%に上った。
「人民網日本語版」2012年1月18日