軍事戦略分野では、オバマ大統領は5日、異例なことに自らペンタゴンにおもむき、新軍事戦略「米国の世界的リーダーシップの維持:21世紀の国防の優先事項」を発表。軍事的中心をアジア太平洋へシフトし、この地域における軍事的プレゼンスを強化する方針を表明した。これを受けて米海軍高官は、海軍力の3分の1を西太平洋地域に配備する方針を表明している。いかにして「米国の世界的リーダーシップを維持」し、潜在的挑戦者の出現を許さないかも、その「ルール」の1つであることが分かる。
実は米国はこれまで「ルール」に対して、プラグマティズムの姿勢を貫いてきた。役に立つものは用いるし、役に立たないものは破棄するというものだ。例えば気候変動問題では、「共通だが差異ある責任」の原則が国際社会でとうに確立されているにも関わらず、自国の責任を逃れようと、逆に発展途上国に能力以上の責任を担うよう要求している。
米国は謙虚な姿勢で、アジア太平洋地域の多様性、多元性、および他国の核心的利益の尊重を学ばなければならない。さらに重要なのは、アジア太平洋地域に不和、さらには分裂をもたらそうとする手法は時代に合わず、地域の多くの国々から反対されるのが必至ということだ。
国際秩序には目下、深い変革が生じている。ルールをめぐる駆け引きは中米間の新たな競争分野となる。中国はより主導的に、先を読んで国際ルールの制定と議題や設定に参加するとともに、ルールの運用を通じて自国の利益を守るべきだ。こうしてのみ、国際社会における発言権を効果的に強化し、国際ルールの形成における競争力を高めることができるのだ。
「人民網日本語版」2012年1月30日