文=中国社会科学院日本研究所 パン中鵬氏
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日本の防衛研究所は10日、昨年に続いて2回目となる「中国安全保障レポート2011」を発表した。このレポートは主に中国の海洋戦略の方向性、海洋政策、中国海軍の動向などについて分析、中国の成長に対する日本の警戒と焦りをあらわしている。日本防衛省のシンクタンクが公表したレポートであるだけに、日本がこのレポートを発表した背景と深い目的を考えないわけにはいかない。
まず、このレポートの公表はちょうど野田内閣が日米同盟関係を改めて強化し、米国が「新軍事戦略」でアジア太平洋地域への回帰を大々的に発表したときで、日本がそれを機にこのレポートを出したのは米国のアジア太平洋地域における軍配置や米国の戦略的地位を固めるのに合わせたためであることは間違いない。
次に、昨年の大地震と津波で発生した福島原発事故後、日本はエネルギー危機に直面している。中東は日本が昔からエネルギーを輸入していた地域で、同地域で混乱が起きれば日本のエネルギー安全保障に不利な影響を与える。日本は最近エネルギーの枯渇を恐れ、隣国中国のエネルギー動向に特に敏感になっている。藤村修内閣官房長官は今月1日と10日、中国が開発を進める東中国海の天外天ガス田に対し、不満を口にした。「中国安全保障レポート2011」で日本側は、原油などエネルギー資源に対する中国の対外依存度が増しており、資源獲得のため海洋開発を加速していると指摘。これは日本が中国をエネルギー戦略の競争相手とみていることを十分に説明している。
さらに、日本が昨年公表した「2011防衛白書」は西南諸島の防衛強化について触れていたが、今回の「中国安全保障レポート2011」で日本は釣魚島(日本名・尖閣諸島)を含む海洋領土に対する中国の関心、将来的な東中国海と西太平洋の動向をこれまでになく懸念し、中国を西側がいういわゆる「第一列島線」内に封鎖し、海洋発展に向けた国際関連法に見合った中国の正当な権利を奪おうとしている。
世界平和、協力と発展という潮流が広がる中、中国は地球の生命の源である海洋の発展に向けた合理的権利を有しており、中国の海洋発展は正義、平和、調和ある発展を維持するためで、日本の意味のない憶測や疑い、根拠のない論説は一笑に付されるだけだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月14日