日本の防衛研究所は2月10日、「中国安全保障レポート2011」を公表し、中国が近年、海洋権益を拡大し、米軍に対抗するための軍備を増強させ、東中国海や南中国海での海軍の活動を絶えず強化していると指摘した。日本メディアは、日米両国の防衛担当者と外交官は、野田首相の4月の訪米に合わせて、中国の海洋権益拡大の動きに対処するための協力枠組み「対中海洋戦略」を打ち出す方向で話し合いを進めていると伝えた。
日米に「中国海洋権益脅威論」という新しい概念が生まれることになる。「中国脅威論」の変種であるこの概念では、中国が近年、経済と軍事を目的とした海洋権益の拡大を進めていると判断。また、中国のこのような「攻め」の動きは周辺国や遠く離れた米国の権益を侵害し、世界の海洋秩序、地域の安定と安全を乱すことにもなると非難した。日米は中国の脅威に対処するため、新たな海洋戦略を制定し、防衛協力の方針を修正する考えだ。
これに対し、中国は十分な警戒が必要だ。まず、このような「脅威論」が生まれたのには深い時代背景がある。2008年の国際金融危機後、世界で「東進西退」の変化が起きた。「先進国の全面的な危機」と言われる時代に、日米が自身に深く根差した「国强必霸」(国が強くなれば必ず覇を唱える)という価値観に基いて中国を脅威と考えるのは、まったくの陰謀ではなく、実際の根拠や主観的偏見、覇権の慣性のある総合的な感覚である。
次に、「脅威論」には南中国海や東中国海の争いといった実際の演習の場がある。南中国海には中国と米国の直接の駆け引きがあるだけでなく、主権を唱える多くの国と中国の争いも絶えず、「中国海洋権益脅威論」が市場を探すことは非常に容易である。また、この場所における中国の各種の挽回の余地はなく、大国の駆け引きと地域紛争が複雑に入り組んでいる。
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