最後に、「脅威論」は具体的な制度や対策を構築することになる。これまでの「中国脅威論」は見せかけだけの勢いである場合が多かったが、今回の野田首相の訪米で日米は「対中海洋戦略」の協力枠組みを構築すると見られる。これにより、「中国海洋権益脅威論」は一つの考えから実際の内容と制度のある事項になる。これは地域、さらには世界を変えることになると予想される。日米が主導し、東アジアなどの国を引き込み、中国に対する「海洋権益脅威」の理論と行動を促すことになるだろう。過去になかったこの動きはアジア太平洋の安定に関わり、中国は対処しなければならない。
米国などの列強はこれまで、海洋を拡張の踏み台にしてきた。今後は太平洋にしても大西洋にしても、海洋が行動の中心になるだろう。米国の覇権主義は、他国の入り口で武器を振り回し、内政に干渉し、他国はそれを阻止できないというものだ。日米は今回、「介入反対」を「中国海洋権益脅威」の論拠の一つとしている。米国の「中国海洋権益脅威論」にはさらに複雑な性質があり、米国の新しい対中戦略における「相殺」という特徴を表している。中国は米国の「中国海洋権益脅威論」などの戦略的意図を捉える際、このような複雑性にも注意する必要がある。(日本JCC新日本研究所 庚欣副所長)
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「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月14日