カナダのハーパー首相による訪中は、中国がパンダ2頭を同国に貸与するとの発表で幕を閉じた。カナダのメディアや国民はこの知らせにたいへん興奮している。報道によるとハーパー首相は中国高官との面会時、今回の訪中について「カナダ人の最大の関心は政治、貿易協定ではなく、パンダの貸与にある」と冗談を叩いた。AFP通信は11日「中国外交においてパンダは特殊な地位を占める。パンダ2頭のカナダへの貸与の決定は、06年にハーパー首相が就任して以来凍りついていた加中関係がすでに『解凍』したことを象徴する」と指摘した。人民日報傘下の国際情報紙・環球時報が伝えた。
AFP通信は「パンダの貸与期間は10年にもおよぶ。これは中国側の誠意と対中関係の今後の発展への有望視を象徴しており、両国間の友情の深まりを示すものでもある」とのハーパー首相の発言を報じている。トロント・スター紙はパンダの貸与を受けられたのはハーパー首相よりも「加中親善大使」に任命された「大山(ダーシャン)」ことマーク・ロズウェル氏の功労の方が大きいかもしれないと冗談めかして伝えた。
両国は今回、パンダの貸与以外に、総額30億ドル規模の各貿易協定にも調印した。中でも最も重要視されているのが18年間の交渉を経て調印にこぎつけた「外国投資保護協定」だ。この協定についてバンクーバー・サン紙は12日、両国間の商業関係の強化に資するだけでなく、最終的に自由貿易協定(FTA)の締結につながる可能性もあると指摘した。だが外交官として中国に駐在歴のあるブロック大学のチャールズ・バートン教授は「現状を見ると、両国のFTA締結はまだまだ先だ。中国がFTA締結を急ぐことも、善意の譲歩をすることもあり得ない」と指摘している。
「人民網日本語版」2012年2月15日