この数年、低迷を続ける日本、だが政治や経済、軍事、外交面などでその躍進ぶりが目覚しい。とくに軍事面、見直し作業を進めて北防衛を西ラインの重点に据えた。自衛隊が大規模合同軍事演習を実施する、米国主導の軍事演習「コブラゴールド」に積極的に参加する、長期にわたる武器輸出禁止3原則を緩和する、新型航空母艦2隻の建造を開始する、ハイテク兵器を相次いで披露するなど、日本製造の兵器は世界の軍事市場で次第に頭角を現すようになった。最初のユーザーに名乗り出たのは、インド。
日本の自衛隊、第2次大戦後のこの「防衛と救援に基づいた軍隊」は今、風雲突如変化するアジア太平洋を舞台とする前線に足場を築こうとしている。拡張し続ける「軍隊」、その背後にあるのは世界第3位の経済体が支援する大規模な軍需産業。三菱重工や川崎重工、新明和工業、日本製鋼所、小松製作所など。それぞれに独自の技術を持ち、互いに競争している企業である。世界の軍需産業が大併合し大融合する時代において、外国に兵器を売却すれば、その保有する独特の技術力に変化が生じるのだろうか。日本の軍需産業の争奪はこれによって打開され、超クラスの実力者が輩出されるのだろうか。
(2)神秘漂わせる弾薬メーカー
代表的企業:ミネベア、日本製鋼所
ミネベア(NMB)は世界で最も重要なギアメーカー、同時にHDD(ハードディスク駆動装置)用部品と携帯電話用LED(発光二極管)で重要な製造業者である。
また同社がさらに得意とする分野は、空対地爆弾投下装置と精確な照準器、火薬使用の特殊部品、火器の製造だ。従業員は260人以下、これらの製品が販売全体に占める比率は1.2%に過ぎないが、製品数量は1200-2000個に達している。主体は飛行機や魚雷の部品。
従業員は「第2次大戦の空襲で残った工場から立ち上げ、その後拡大を続けて現在の規模になった」と話す。すべての部品は依頼を受けてから生産する。生産ラインはなく、1人ひとりの手作業による。
さらに重要な作業は自社が生産した各種火器の修理と保守点検。工場内にある専用の場所で、専門の労働者が送られてきた火器を解体、修理する。こうした労働者を育成するには通常、10年かかるそうだ。
ミネベアの最も重要な役割は、「製品を使用する際、いかなる環境下でも100%使えると保証する」ことだ。どの製品でも振動や高温、高湿などの環境測定を実施、こうしたテストを通して品質を保証している。
民用品の場合、テストやパッキングといった作業は外部に委託することができるが、軍需用特別品の場合は「武器等製造法」や「火薬類取締法」などの法的拘束を受けるため、すべて自社が責任を負わなければならない。防衛省の制服組が自ら度々同社を訪れて技術者とテストの過程を検分、結果を分析している。
一方の日本製鋼所は大砲の主要メーカー。海上自衛隊の護衛艦で使用されている各種大型の単装速射砲は同社が主に製造している。
(つづく)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月17日