内政でも中央の政策決定層は「人民のための執政」との理念を貫徹し、民生への取り組みを強化し続けている。統計によると、中国の財政支出の3分の2は民生保障・改善に充てられている。2011年の国防予算は6011億元で、財政支出に占める割合は6%と、ここ数年来で低めの水準となった。実際、中国の軍事費は低い水準にあり、1990年代末になって初めて二桁成長を始めたのだ。
軍事専門家は、中国の軍事費は依然、国防の基礎の弱い部分を補う「埋め合わせ的」増加の段階にあると指摘する。たとえば昨年、いくつかの新装備の登場に人々は興奮を示したが、軍上層部は冷静かつ慎重な姿勢を崩さず「中国軍の全体的な武器・装備は世界の先端水準と20-30年の開きがある」と繰り返し指摘した。
軍が担う非戦争分野の任務も重みを増している。近年、震災救援、船舶護衛、在外中国人の引き揚げなどが軍事費増加への圧力となっている。軍人の待遇改善の問題も注目に値する。
中国が今後一定期間、国の経済・社会発展と軍事力整備の状況に適用するために軍事費を増やす必要があることは、隠し立てするまでもない。また、経済成長の任務が依然極めて困難なこと、政府の優先的考慮が民生の保障と改善であることを考えれば、中国は今後も軍事費の規模をコントロールし、理性的で適度な増加を保つだろう。
「人民網日本語版」2012年2月23日