1.名古屋市の河村たかし市長
国会議員時代から河村氏はとくに南京大虐殺問題で極右翼政治家の特色を現してきた。
06年、議員だった河村氏は衆議院に質問書を提出し、日本政府に「南京大虐殺問題について再度研究」するよう要請した。この質問書の中で、「大虐殺はなかった」とする理由を詳しく説明している。
質問書の中でまず、自身の父について、「私の父は1945年8月16日の武装解除で南京を訪れ、南京郊外の栖霞寺に翌年1月までいた」と記述している。南京にいた期間、父は日本人兵士250人と一緒で、「地元の人々から特別な歓待を受け、全員が生還できたことに心から感謝していた」としている。
当時の南京市民の歓待を、「大虐殺はなかった」証拠とみている。さらに、「そこで大虐殺が発生していれば、たった8年後に(これらの日本兵が)南京市民とこれだけ心温まる交流ができるわけがない。だからいわゆる南京大虐殺事件を改めて検討するべきだと思う」と指摘する。
河村氏はまた、どの日本の歴史の教科書にも南京大虐殺についての記述があり、一部の教科書には虐殺された人数20万人とまで記載している。これらは日本政府の見解とみなされ、「非常によくない」と語った。
ここ2日の記者会見で河村氏は、旧日本軍が南京で殺害した一般市民は30万人という説が中国で代々受け継がれているが、「それはおかしい」とし、「私の知るところでは確かに通常の戦闘の中で命を落とした人や捕虜営で火災が発生した時に焼死したり銃殺された捕虜がいるが、私の社会責任と政治使命はこの誤った歴史認識を正すこと」と宣言した。