外交部の洪磊報道官は2月29日の定例記者会見で「中国は南中国海のほぼ全域に対して領有権を主張している唯一の国」との米側の指摘について質問に答えた。
----ウィラード米太平洋軍司令官は28日、「米国は南中国海での軍事的プレゼンスを維持し、航路の安全を確保しなければならない。南中国海問題における中国の対立姿勢は2010年以降比較的弱まっているが、南中国海の領有権主張国の中で、中国はそのほぼ全域に対して領有権を主張している唯一の国だ」と述べた。
南中国海問題における中国の立場は一貫した、明確なものだ。南中国海諸島と周辺海域に対して中国は争う余地のない主権を有しており、「強める、弱める」という問題は存在しない。南中国海係争に対して中国は一貫して平和的発展の国家戦略と善隣友好の周辺外交政策に立ち、地域の平和・安定維持に着眼し、歴史事実と国際法の尊重を踏まえた関係国との直接交渉と友好的協議による平和的解決に尽力している。これは関係当事国の共通認識でもある。中国と関係国との交渉・協議ルートに滞りはない。
南中国海係争の核心は、南沙(英語名スプラトリー)諸島の島や礁の領有権および南中国海の一部海域の境界をめぐる係争だ。中国を含め、どの国も南中国海全域の領有権は主張していないということを指摘しておく必要がある。一部の者がこの問題で度々勝手な事を言うのが、真相を知らないからなのか、それとも何か魂胆があるのか、われわれにはわからない。ここは明らかにする必要があると思う。
事実が証明しているように、南中国海の航行の自由と安全はこれまで問題がなく、南中国海係争によるいかなる影響も受けていない。南中国海係争の非当事国を含む各国は、地域の平和・安定維持にプラスになることをしてもらいたい。
「人民網日本語版」2012年3月1日