世界的不景気と米国の経済回復力不足によって貿易摩擦が頻発している今日、米国の政治家は感情的行動を避けるべきだ。中国を対立候補に挑戦するための材料とし、中米関係の戦略的相互信頼や世論の雰囲気を損なうのは無責任だ。米国のある評論家が指摘したように、米国指導層の正しい行動とは自国内にある発展の試練を見つけ、解決することであり、中国との仮想の衝突へと有権者を誘導することではない。差し迫って必要とする回答を中国の中に見つけようとしても全く無駄だ。
キッシンジャー元米国務長官が先日フォーリン・アフェアーズ誌に寄稿した「衝突は選択であって必要性ではない」と題する論文は一読に値する。論文は「米国の歴史において、これほどの規模と自信を備え、これほど大きな経済的成果を上げ、これほど非凡な国際的視野を備えながらも、これほど異なる文化、政治システムを持つ国と関わりを持つ経験は異例だ。中国も歴史において、このような世界大国、アジアに恒久的にプレゼンスを保ち、世界観が自国と相反し、自国の隣国多数と同盟を結んでいる国とつきあう経験はまれだ。中米は真摯な協力へ踏み出すか、あるいは国際的対立に陥るかの重要な選択に直面している」と指摘。「中米関係はゼロサムゲームではない。繁栄する、強大な中国の出現自体を、米国の戦略の失敗と見なすべきではない。両国が連携して協力すれば、共通の解決策が出てくるだろう」と強調している。
中米関係は現在、最も重要な二国間関係の1つとなっている。中米両国は和すれば共に利し、闘えば共に傷つく。対中関係を正しく処理することは米国民の利益に対する責任であるのみならず、世界全体に対する責任でもある。米大統領の座にチャレンジする政治家は、これについてはっきりとした認識を保つべきである。
「人民網日本語版」2012年3月1日