米軍はこのほど、「悪名高い」新型の非致死性兵器アクティブ・ディナイアル・システム(ADS)を公開した。ADS はミリ波の電磁波を対象物に向けて照射すると、皮膚の表面温度を上昇させることができ、この照射を受けた者は本能的に逃げるという。有効射程は1キロ。11日付の英紙デイリー・メールが伝えた。
ADSは2008年に初公開され、その2年後にアフガニスタン地域に配備された。情報筋によると、ADSが対象物に与える悪影響はゴム弾や催涙スプレーなど他の非致死性兵器よりずっと小さい。また、リスクを最小限にするため、電磁波の照射をコントロールする引き金に自動閉鎖機能がついており、照射時間を3秒以内に抑えている。
それにもかかわらず、ADSの安全性に対する懸念はまだ残っている。米空軍実験室が1.1万人に対してADSの実験を行ったところ、やけどを負ったのはわずか2人だった。その2人はすでに回復し、合併症も起こしていない。また、同実験室のスタッフによると、ADSは腫瘍を起こすことも、人間の生育能力や胎児の健康に影響を与えることもないという。
米当局はADSの研究開発にすでに約1.2億ドルを投資した。プロジェクトの責任者は、「国境の安全維持、デモ隊の鎮圧、スピード違反の車両阻止など多くの分野に使うことができ、この技術の応用には将来性がある」と語った。