「米軍の中国抑えこみ」論を深読みすべきではない

「米軍の中国抑えこみ」論を深読みすべきではない。

タグ: 米国,朝鮮半島,沖縄

発信時間: 2012-03-26 09:30:54 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

米日両政府は先日、在日米軍再編計画の見直しについて協議した。米政府は沖縄駐留の海兵空陸任務部隊(MAGTF)をグアムとオーストラリアに分散する考えだとされる。オーストラリアによると米海兵隊は同国北部ダーウィンへの駐留を4月以降、順次開始する。新配置計画から、アジア太平洋地域での軍事的プレゼンスを強化し続けようとする米国の意図が再び明らかになった。

沖縄駐留軍が朝鮮半島や東中国海など北東アジア地域を担当、グアム駐留軍が西太平洋全域を担当、ダーウィン駐留軍が南中国海とインド洋を担当するというのが米政府の構想だとアナリストは指摘する。「米国は日本と韓国に軍事基地を持っており、今またオーストラリア北部に駐留する部隊、戦闘機、軍艦を増やし、同国での軍事的プレゼンスを強化しようと計画している。これはアジア太平洋地域での中国の台頭への対応を意図したものだ」とする報道もある。日本の読売新聞は21日付で「近年中国は東中国海と南中国海で『海洋活動』を強化し続けている。このため米軍は中国を抑え込む能力をさらに強化するため、西太平洋海域の拠点を増やそうとしている」と報じた。

シンガポール南洋理工大学RSISシニア・フェローのサム・ベイトマン氏は人民日報の取材に「米国にとってオーストラリアはアジア太平洋地域における長年来の戦略パートナーだ。オーストラリアは米国との軍事的結びつきを強化し続けることで、米国の新軍事戦略から利益を得られる。米国の軍事配置と、西海岸とインド洋での軍事力強化を望むオーストラリアの計画は一致している」と指摘。「米国の新軍事戦略は一定程度において中国をねらったものだ」と述べた。

シンガポール国立大学アジア・グローバル化研究所の黄靖教授は人民日報の取材に「アジア太平洋地域での軍事的プレゼンスのたゆまぬ強化は、米国の実力が衰えていることの反映だ。挑戦を許さないその地位は、今や揺らぎ始めている」と指摘。「米国は中国の台頭と東アジア地域での影響力拡大を極めて大きな試練と見ている。したがって米国のアジア回帰戦略は自らのグローバル戦略に基づく部分が大きいが、中国を『封じ込める』または『抑え込む』という取り上げ方を深読みすべきではない」と述べた。

■中米間の陣営選択を迫られることは域内各国の利益に沿わない

黄教授は「米国の新軍事戦略に対するアジア各国の姿勢は熟考に値する。アジア太平洋諸国の関心は自国の発展にある。中米間の陣営選択は国益に沿わない。米国の真の意図はこうした国々を自らの陣営に引き入れ、アジア太平洋地域での影響力を強化することにある。したがって、米国のアジア回帰戦略に対するアジア各国の反応は積極的というより、冷静に成行きを見る姿勢が強い」と指摘した。

ベイトマン氏は「米国の軍事的プレゼンスに対するアジア太平洋各国の反応は一様でない。地域で高まり続ける中国の影響力への懸念から、いくつかの国は米国の戦略を歓迎し、米国の力を借りて地域のパワーバランスをとることを望んでいる。その一方で、米国のこうしたやり方が中米間の競争を激化させ、地域に軋轢を招き、平和・発展・協力が破壊されることを懸念している国も多い」と指摘した。

「人民網日本語版」2012年3月25日

iphoneでもチャイナネット!

日本人フルタイムスタッフ募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。