現在の中国の最も鮮明な特徴は改革だ。誰もが目にしているように、中国の改革が今日置かれている歴史的位置は昔とは一変している。改革は難関を攻略しなければならない段階に来ている。こうした背景の下、どのような視野で改革を計画し、どのような論理で改革を深めるかが、改革自体の成否に加え、国家・民族の将来にも関わってくる。
30年余りの改革開放は世界の注目する成果を上げ、甚大と言ってよい変化をもたらした。だが第17回党大会報告が指摘したように「わが国が依然、そして今後長期にわたって社会主義初級段階にあるという基本的国情に変化はなく、日増しに高まる人民の物質文化需要と立ち後れた社会生産との間の矛盾という社会の主要な矛盾にも変化はない」のである。主要な矛盾と具体的な国情。これはわが党にとって国家統治・政治の基本的出発点であり、改革を推進する上での根本的な拠り所でもある。改革が深まるに伴い、人民大衆の新たな期待、経済・社会発展における新たな要請、国際情勢の新たな変化のいずれもが、主要な矛盾を一層先鋭化させている。その一方で、大衆の懸念により積極的に対応し、理想と現実とのバランスをより良く把握し、改革を一歩一歩推し進め、突破口を一歩一歩開いて初めて、人民大衆に確かな幸福をもたらし、中国社会の堅実でたゆまぬ前進を促すことができる。
これは中国の改革にとって現実的な論理だ。中国の改革は当初から現状に沿った漸進的改革の道を歩んできた。安徽省小崗村の土地請負経営の模索にせよ、広東省の小さな漁村での経済特区の実験にせよ、初期の改革戦略「石を探りながら河を渡る」にせよ、現代化の巨視的な戦略目標「三段階」にせよ、党内民主の先導する人民民主の実践にせよ、都市部と農村部での同一の人口比率に基づく人民代表大会代表選挙の段階的実施の要求にせよ、中国の改革の道程はまず容易な部分から取りかかり、困難な部分は後に回す実務路線に従い、点から面への着実な推進を図ってきた。その重要な特徴は、改革の目標が実際の問題の解決であり、いたずらにスローガンを叫ぶのではないこと、改革の根本的目的が社会主義制度の自己整備・発展にあるということだ。