中国の海洋監視船とフィリピン海軍の艦船が互いに領有権を争う南中国海の浅瀬で8日からにらみ合いを続けていたが、フィリピンが12日に艦船を引き上げ、にらみ合いは収束した。しかしフィリピン側は中国側の抗議を顧みず、沿岸警備隊の巡視艇を同海域に再び派遣し、にらみ合いを継続させている。中国紙、解放軍報が伝えた。
南中国海問題の対処にあたり、中国政府は一貫して、地域の平和維持と共同発展の促進を念頭に置きながら極力自制的な態度を取り、大きな誠意と努力を払ってきた。80年代にトウ小平氏(トウはおおざとへんに登)が「係争を棚上げし、共同開発を行う」との原則的立場を提案。2002年、中国政府の呼びかけのもと、関係国は行動宣言を調印した。これにより、同海域を取り巻く情勢は一定期間、安定が確保され、中国と一部の東南アジア諸国との関係は急速に緊密化しした。一部の東南アジア諸国の今日の経済成長は中国貿易によるところも少なくない。これは国際社会の大筋の見方で、紛れもない事実だ。
領有権や海洋権益にからむ問題で、中国政府は一貫して明確かつ断固とした立場を示している。ただし軍事力で優位を誇っていても、武力に直接訴えることはせず、巡視艇による権益保護にとどめている。これは弱腰な姿勢ではなく、同地域の平和と安定を考慮して武力紛争への発展を避けようとする自制的な態度の表れだ。戦火を交えれば、損害をこうむるのは当事者と地域の平和・発展であり、背後に隠れている支持者に得をさせるだけだ。
中国は、自らの誠意が関係国に伝わることを願うとともに、軍事力による利益獲得が極めて危険かつ愚かな行為であると一部の国に警告する。(筆者 軍事科学院国防政策研究センター 王新俊)
「人民網日本語版」2012年4月17日