文=中国社会科学院栄誉学部委員 馮昭奎
日本は明治維新以降、「脱亜入欧(後進世界であるアジアを脱し、ヨーロッパ列強の一員となる)」ことを唱え、戦後はアメリカに占領され「親米派」の政治家は長らく、日本政治の主流だった。しかし同時に、日本にはアジア重視を主張する政治家や学者(以下、「アジア派」)も絶えず出現しており、石橋湛山や田中角栄、大平正芳、鳩山由紀夫、加藤弘一、谷口誠、森田実などがその代表である。
このような「アジア派」の政治家の共通する特徴としては、比較的強いアジアの共通認識を持っており、アジア各国が「アジア共同のファミリー」となることや、「東アジア共同体」となることを主張する。東アジアの文化や価値観に造詣が深く、中日乃至東アジア地域の連携を促進することに対し、現実的な精神と強い気迫を持っており、具体的でマクロ的な連携構想を示すことができる。
今年は中日国交正常化40周年であり、このまたとない好機に中日関係を改善することは、日本の「アジア派」政治家の切実な願いである。中日関係の発展は両国の国にとっても、人々にとっても利益のあることであり、具体的で実務的な連携を通して、両国関係の発展を促進することを主張している。
中でも重視したい連携課題は、中日自由貿易協定(FTA)の促進・中国が原子力発電所を建設する上で、日本の教訓や経験、技術から学ぶこと▽福島などの被災地の建設が世界最大の生物化学拠点となること▽東アジア周辺海域における海賊船の取締の連携▽海洋汚染の抑制▽中日の食品安全▽食料品貿易分野における連携▽「東アジアエネルギー共同体」の実現▽「東アジア共同体」構想などである。