民主党の新代表、野田佳彦氏は30日、円滑に首相に選出された。5年間で6人目となる首相である。一部日本メディアは野田氏のこれまでの言動に照らして、内政や外交政策についてさまざまな「レッテル」を張り始めた。実際、野田氏は選ばれたばかりであり、政策はまだ実施されておらず、現段階で「レッテル」を張るのは時期尚早だ。
だが、およそ重要な選挙や政局の変動があると、日本メディアは関係者にいろいろな「レッテル」を張ろうとする傾向がある。内政では、「急進派」とか「穏健派」、外交では「タカ派」や「ハト派」、党内については「親××派」に「反××派」と実にさまざま。「レッテル」が張られていなければ、読者は甲乙兵丁を区別できないようだ。
野田氏ももちろん、日本メディアの「册封」から身をかわすことはできなかった。すでに民主党代表選出馬を表明する前から、「増税派」とか「親米派」、「脱小泉派」といった「レッテル」を張られていた。
実にさまざまな「レッテル」、政策の方向性を示しているのは間違いない。「レッテル」張りはもとより、その人物やその政党のイメージを理解するうえでプラスとなる。だが、事実がたびたび証明しているように、先入観による「レッテル」は常に偏りがちであり、誤った方向に導くことすらある。結局、言えば、政策は死んでいても、人は活きているということだ。
先ず、政策がいささか時によって異なったことだ。例えば、3月11日の地震と津波、放射能汚染の影響で、民主党は政策の優先度と予算の歳出方向を調整せざるを得なくなった。同様に今後、増税するにしても、国債を発行するにしても、野田新政権もまず協議してから行動を起こし、内外の経済情勢や民意の受け入れ程度を総合的に考慮せざるを得ないだろう。
次に、政策がいささか流れに応じて異なったことだ。2年前の8月、民主党は住民の変化を求める大きな流れを捉え、一挙に政権を更迭。だが、2年たっても政策面でやはり保守退嬰(たいえい)的であり、民衆の不満は強まり、内閣支持率は下がった。流れに応じた調整をしなければ、自民党政権の轍を踏むことになるだろう。