米華字紙・世界日報は8月31日、中国は軍事力が強大化した後、領有権を守りつつ、戦争はせずに平和を維持しなければならないとの社説を発表した。文章の概要は次の通り。
米国防総省は先月24日に公表した中国の軍事力と安全保障の進展に関する報告書で、中国は2020年までに地域の軍事的強権となると指摘、「中国の持続的な投資は遠距離行動力を高める軍事計画を目的とし、中国の軍事力の発展動向からすると、アジア全域で一連の軍事行動を展開する力を提供できる」としている。米国がこのような報告を公表するのは、「中国脅威論」を煽るのがねらいだとの批判がある。
米国主導のアジア地域の軍事バランスがこの地域の平和のカギになっているのか?または、中国の軍事力発展がこの地域で戦争勃発の危険性を高めるのか?
戦後の歴史を見る限り、朝鮮戦争にしても、ベトナム戦争にしても、西アジアの数々の戦争にしてもすべて米国に関係している。これは米国がアジア地域の平和問題に関して、米国に利益があれば、その利益を守るために戦争を起こすこともいとわない問題を明らかにしている。これこそ米国覇権の実体だ。その一方で、米国の軍事力主導はは最大の同盟国である日本の核兵器開発を有効に阻止し、地域の核兵器競争の危機をある程度抑えている。
中国の軍事力発展が、米担当官の言うように、地域の軍事バランスを不安定にし、誤解・誤算のリスクを増大させ、地域の緊張を高めるか?では中国はどのような軍事戦略、軍事行動をとればいいのか?グローバルな角度から見ると、中国は益々世界の経済発展の原動力、世界市場の中心となってきている。中国経済の安全は中国の安定だけでなく、世界の安定にも影響する。中国が軍事力を向上し、中国経済の世界的な発展を保護するのは、世界にとっても有益だといえる。一方、中国の軍事力向上は各方面それぞれの対応をし、領有権は守るが、戦争はせずに平和を維持しなければならない。具体的には、台湾海峡問題においては平和統一を堅持し、一部の国に対しては核兵器の発展を阻止する。隣国に対しては、交渉や対話で争いを解決するといったことだ。
中国が軍事力を発展する上で信頼を得るには、明るみにできない目的を持たず、軍事力発展の透明性を高めていくことだ。また、2020年にならなくても、今でも地域のどの国も中国と単独で軍事衝突を起こすことはない。中国は長期にわたり米国と積極的に競争し、制約し合い、アジアの平和に貢献しなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月2日