ロシア大統領府は先日、プーチン大統領は組閣に忙しいために5月のG8首脳会議(サミット)を欠席し、代わりにメドベージェフ首相が出席すると発表した。ロシア大統領のG8サミット欠席は03年の初参加以来、初めてだ。重要な構成国の指導者であるプーチン大統領の欠席は、G8の将来について憶測を招いている。人民日報海外版が伝えた。
■影響力への衝撃
「G8首脳会議」は西側7国首脳会議から発展したもので、成立当初は世界の政治・経済に決定的影響力を持っていた。だが世界の経済構造の変化に伴い、その地位にも微妙な変化が生じている。2011年のG8サミットは本来、エジプトとチュニジアなど動乱の影響を受けたアラブ諸国の民主化支援について議論し、解決を図るはずだったが、G8自体が団結できず、結局合意にいたらなかった。このことがG8に与えた影響は小さくない。
BRICS、CIVITSなど新興経済国の台頭、20カ国・地域(G20)の成立もG8に少なからぬ衝撃を与えた。新興国の参加しないG8の世界経済調整機能が日に日に衰えていることはすでに客観的な事実だ。
元米国務省高官は「G20は第二次世界大戦以来の米欧主導の世界構造を打破した。だがこの構造は依然過渡期にある。価値観を基礎とするシステム(G8)から利益を基礎とするシステム(G20)への過渡期だ」と指摘した。
■主導権の喪失