日本の田中直紀防衛相は30日、参院で問責決議を受け、シンガポールで開かれるアジア安全保障会議(シャングリラ対話)への出席を見送る方針を示した。
同日午前に行われた防衛省の幹部会議で、田中防衛相は「諸般の事情を総合的に判断し、見送ることを決めた」と正式に外遊取りやめを表明。代わりに渡辺周防衛副大臣が出席する。
これに先立ち米政府は、パネッタ国防長官がアジア安全保障会議の期間中に田中防衛相と会談すると発表。日本の防衛省も田中防衛相がパネッタ国防長官ら他国の高官と会談する方向で準備を進めていた。
自民党、みんなの党など野党側は、問責決議を受けている閣僚の海外出張は認められないとし、田中防衛相のアジア安全保障会議への出席に強く反対。
参院問責決議案には法的拘束力はない。匿名希望の政府官僚は、野田首相は本来野党の反対を押し切って田中氏を派遣できるが、消費税率引き上げなどの法案で野党の協力が必要なため、そうしなかったと明かす。
野党は4月20日、田中防衛相に対する問責決議を可決。その理由として、安全保障政策に関する基礎知識の欠如、国会答弁の迷走ぶり、朝鮮の衛星打ち上げへの対処をあげている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月31日