パネッタ米国防長官は2日、第11回アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で演説し、米国の軍事戦略のアジア太平洋地域へのシフトを中国にとって脅威とする見解を否定するとともに、中米は協力を強化すべきとの考えを表明した。環球網が伝えた。
AP通信はパネッタ長官はこの演説で「アジア太平洋地域での米国の軍事力の強化はこの地域に緊張を引き起こしたり、中国を威嚇するものではない」とのメッセージを送ったと指摘。「地域全体の利益のために両国は協力を強化しなければならない」と述べたことに触れた。
報道は「パネッタ長官の演説は中国への和解の申し出のように見える。だが双方は両国関係に存在する溝に対して無邪気な考えは持っていない」と指摘。パネッタ長官が「われわれは双方間にある相違を理解し、直面する衝突も理解している。だが意思疎通と軍事関係の改善以外に選択肢がないことも理解している」と述べたことに触れた。
アジア太平洋の同盟国との関係についてパネッタ長官は「アジア諸国は自らの問題を解決する方法を見出さなければならない。米国がいつも助けることは不可能だからだ」と述べた。
報道によるとパネッタ長官は台湾海峡、南中国海、サイバー分野の脅威にも言及。「中米はすでに問題の解決に向けて対話を行っている。両国間に問題が生じた際に平和的方法で解決することが目的だ」と指摘した。
米国防総省ウェブサイトは「米国の軍事戦略のアジア太平洋地域へのシフトはかなり昔の時点で予想できた。ソ連崩壊後、戦略の重心をアジア太平洋地域にシフトすべきとの声が政府内の一部から上がった。中国とインドは急速に発展する経済国であり、東南アジア諸国は米国の軍事的プレゼンスを楯に前進している。米国は日本、韓国、フィリピン、タイ、オーストラリア、ニュージーランドとも深い同盟関係を維持している」としている。
「人民網日本語版」2012年6月4日