民主党内が混乱し、野田首相は前後から攻め立てられる中、自民党などの野党は攻勢を強めている。野田首相が今回問責決議を受けた閣僚を自主的に交代したのは野党の要求に応じたといえるだろう。野田首相にとってこれはかろうじて虫の息をつなぐ「最後の希望」でもある。
ただ、この「取引」が実現するかは大きな疑問が残る。自民党のねらいは数人の閣僚交代ではなく、民主党を引きずり降ろし、3年前の屈辱を晴らすことにあるだからだ。自民党からすれば、問題閣僚の交代は当然のことで、増税法案の成立についてはまず国民の意見を問うべき、つまり衆議院を解散して総選挙を行うべきだという意見だ。自民党の報復の決意を甘く見てはならない。民主党政権の初日から自民党は政権復帰を煮詰めてきた。大地震や原発事故でさえこの考えに影響を与えなかった。
内閣改造、閣僚交代は往々にして日本の首相が自らを守る「切り札」となっている。しかし「切り札」を使い過ぎるとその効力が衰える。野田内閣の支持率はすでに20%まで落ち込んでいる。今年初めに行われた第1次内閣改造は効果があらわれなかった。今回もおそらく効果は期待できないだろう。6月21日までの国会会期末が近づくにつれ、野田首相の退陣が伝説ではなくなるかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年6月7日