外交部の程国平副部長(外務次官)は7日の記者会見で「上海協力機構の創設からちょうど第2の10年間の始まりの年に開催された北京サミットは、機構の今後の発展にとって一里塚的な意義を持つ。各加盟国は発展、安定、繁栄を一段と差し迫って必要とし、地域の安全と発展の維持における上海協力機構の重要な意義を一段と認識するにいたっている。サミットの成果は新たな高み、新たな分野、新たな進展、新たな投入、新たな余地という5つの『新』によって総括できる」と指摘し、以下を挙げた。(人民日報海外版)
(1)加盟国間の政治的相互信頼が新たな高みに達した。上海協力機構は調和のある地域の構築を努力の方向とし、重大な地域問題において共通の立場を踏み込んで明らかに表明するとともに、地域の安全と安定に尽力し、地域の発展と繁栄を守り、より公正で合理的な国際秩序を築き、世界の平和・発展事業を推進するとの加盟国の断固たる決意を表明した。上海協力機構が発展戦略を初めて策定したことは、機構の発展の強化、地域協力の強化、新たな試練や脅威への共同対処の対応力の向上にとって重要な意義を持つ。
(2)上海協力機構の安全保障協力が新たな分野を開拓した。非伝統的安全保障分野の脅威が増え続け、国際・地域問題において新干渉主義が活発化へと向かい、「3つの勢力(分離独立派・宗教過激派・テロリスト)」が多少戻ってくるという目下の複雑な変化に対して、上海協力機構は時代に合わせて進歩し、2009年に構築した緊急対応体制を一段と整備し、危機への早期警戒と共同対処の措置を強化し、機構の行動能力を高めた。加盟国は今後3年間の安全保障協力計画を定め、エネルギー安全保障、ネットセキュリティ、「3つの勢力」の浸透ルートの切断といった新たな取り組みの重点を定めた。
(3)上海協力機構の経済・人的・文化協力が新たな進展を得た。加盟国は引き続き貿易と投資の円滑化を推進するほか、金融、エネルギー、通信、農業の4大分野で重点的に多国間協力を強化し、科学技術革新を図り、交通・物流センターの建設を推進し、上海協力機構専門口座や開発銀行など資金調達確保の仕組みの構築に引き続き取り組む。各国は善隣友好年の手法を継続し、民間交流と社会交流のチャンネルを積極的に拡大することで合意した。
(4)上海協力機構の対外交流が新たな発展の余地を得た。サミットはアフガニスタンをオブザーバー国、トルコを対話パートナー国として受け入れることを承認し、上海協力機構が一貫して遂行している公開と透明の開放原則を改めてはっきりと示し、国際・地域問題への積極的な参与という建設的姿勢を体現し、国際的影響力を一層高めた。次の段階ではオブザーバー国、対話パートナー国との実務協力を踏み込んで推進し、より多くのパワーを取り込んで地域の発展を促す。
(5)上海協力機構の発展を推進するために中国が新たな投入を行った。胡錦濤主席はサミットで上海協力機構の発展を促すための新たな主張や提案を踏み込んで明らかにし、上海協力機構を調和のある睦まじい素晴らしいふるさと、安全と安定の力強い保障、経済発展の推進力、国際交流の有効な場に築き上げる方針を打ち出し、加盟国向けの100億ドルの借款と新たな人的資源育成計画を発表し、上海協力機構善隣友好委員会の設立を提案して、各国から高い評価と積極的な反応を得た。こうした提案や措置は上海協力機構の長期的な発展に力強い原動力を与え、上海協力機構の協力深化の良好な発展基調の維持につながると信じる。
「人民網日本語版」2012年6月8日