第4回中国無人機展覧会が5日、北京で開幕した。近年、西側メディアが次々と中国産無人機の「外国との血のつながり」を見つけているが、環球時報の記者は会場で、中国独自の特色をもつ新型無人機を数多く目にした。関係者によると、一部の中国の無人機が外国の製品と形状が似ているのは、同じような任務の必要性とエンジンの配置のためで、外国メディアが報じるように中国が「コピー」したわけではないという。
今回の無人機展覧会では、60機以上の無人機および関連技術製品が公開され、出品された無人機は過去に比べて細部における独自の強みに重点が置かれた。ほとんどが垂直離着陸機能を備え、任務の違いによってそれぞれ特色がある。中国航空工業成都飛機設計研究所のVMA無人機の特色は「スピード」で、垂直離陸後、時速220キロの最大速度で一気に目標に接近できる。さらに折たたみ翼を展開して低速状態で巡航すれば航続時間が延長できる。広州金海航空技術公司のさまざまなクワッドローター無人機は小型で活用面が広く、離陸時はヘリコプターのようだが、プロペラの回転速度を変えることで方向を調整できるため、空中ではヘリコプターよりも小回りがきく。軽量で数キロしかないため、すべての設備を一人の兵士がバックに詰めて携帯することができる。
このほかバイオニクス技術を使ったステルス無人機も公開。天津全華時代航天科技発展公司の無人機「グリフィン」の機翼は鷹の翼に似ている。もう一つの「エイ」と名付けられた無人機はその名の通り流線型の設計でステルス性が高い。
中国の無人機は西側の無人機をコピーしているという外国メディアの報道について、中国の技術者に取材したところ、無人機の形状が似ているのはその任務が同じであるためと紹介。例えば偵察中心の大中型無人機は視界と撮影画像の鮮明さを確保するため、双胴機構造を選択する。今回出品された中国のASN209F無人機のほか、イスラエルの「スカウト」と「へロン」TP無人機や、米ロッキード・マーティン社が2010年に公開した新型無人偵察機などがそれにあたる。実際のところ航空分野にはこれと同じ状況が数多くある。例えば欧米の次世代ステルス無人攻撃機はレーダー反射面積を減らし、ペイロードを高めるため、その多くがB-2の無尾翼を採用しているが、誰もそれをコピーだとはいわない。形状が似ているだけでコピーしたことにはならない。ソ連のMiG-25も、その後登場した米F-15も双垂直尾翼で、エアインテークを機体の両側に設け、形状もかなり似ているが、F-15がMiG-25をコピーしたといえば笑われただろう。もちろん中国の無人機が設計理念上、国外の先進的な無人機を参考にした可能性はあるが、参考とコピーの違いは細部にある。業界の専門家からみれば2つのまったく違う無人機でも、素人がみればコピーしたように見える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月8日