日本海上自衛隊と訪日中のインド海軍艦艇は6月9、10日の両日、神奈川県相模湾で海上合同軍事演習を行った。過去、両国は多国間軍事演習に参加したり、友好を目的とした簡単な訓練を行ったりしてきたが、今回のように両国の間で戦略的協力能力の向上をめざした合同軍事演習を実施するのは初めて。世論は、日印両国の戦略的協力は絶えず増強し、双方の協力関係はすでに経済・貿易、政治面から徐々に軍事安全の分野へと拡大しつつあると見ている。
◇防衛協力上の重要な活動
米国の「ディフェンス・ニュース」電子版は、日本の軍艦も年内に訪印し、インド海軍と恒例の演習を実施すると報じた。
合同軍事演習は両国の防衛協力上の重要な活動であり、防衛交流では、年1度の防衛担当閣僚会議、国防政策をめぐる対話や軍と自衛隊高級幹部の対話などが行われている。また、両国は国防合同行動計画を起草中であり、同時に米国を含む多国間戦略対話確立の可能性も模索している。
2010年下半期から、日本とインドの戦略的協力関係は急速に強まっていく。同年7月に初の外交・防衛担当副閣僚級の対話、「2+2対話」が開催された。10月にはシン首相が日本を訪問、両国は経済協力協定に調印するとともに、希土類や原子力発電などの分野での協力展開について深く討議した。11年10月末、両国の外相は東京で新たな戦略対話を実施、経済関係を強化するほか、海洋などの問題をめぐる安全保障協力を強めることにした。11月2日、当時の一川保夫防衛相は訪日したアントニー国防相と会談、12年に初の合同軍事演習を行うことで合意した。また、野田佳彦首相は昨年12月にインドを訪問し、シン首相と海賊の取り締まりや海洋安全の保障などの協力問題について協議した。
◇ともにより現実的に考慮