----米国はこのほど合同軍事演習「リムパック2012」の実施を発表し、太平洋周辺の22カ国を仲間に引き入れたが、中国だけが排除されている。米国のこの行動をどう受け止めるか。米国とアジア太平洋諸国の軍事演習は、本当に軍事的手段を用いて彼らを守るためのなのか。
米国が先頭に立って行う今回の「リムパック2012」は大規模で、いくつかの意図がある。
1つはアジア太平洋地域における米国の軍事的プレゼンスの拡大。理由は次の通りだ。アジア太平洋地域は世界経済に対する貢献が最も大きい。米国にとってアジアの貿易額は年1兆ドルと特に巨大で、他のいかなる地域をも上回る。だがアジア太平洋地域は北東アジア、南アジア、南中国海など不安定要素も目立つ。アジア太平洋地域の安全保障の不安定さと経済の活発さはともに、米国に戦略的重心を変えさせた要因だ。米国のやること全てに軍事的手段の後ろ盾がある。軍事演習は軍事力を誇示する1つの方法だ。
次に中国への威嚇。キッシンジャー元米国務長官はかつて、威嚇の3要素として実力、決意、そしてライバルに理解させることを挙げた。米国は前回の「リムパック2010」で10数カ国を呼び集め、今回は22カ国にまで増やしたが、中国はその中にない。全世界からこれほど多くの軍艦、戦闘機、兵士を呼び集めるのは、まさか米国映画「バトルシップ」のように、異星人を攻撃するためではあるまい。たとえ地球上の海賊を取り締まるためでも、対潜演習は必要ない。異星人も海賊も現在のところ潜水艦は持っていないからだ。したがって米国の軍事演習の矛先がどこに向けられているかは明々白々ではないか?
第3に全世界の海上秩序を維持するには米国だけではリソースが足りず、同盟国の支援を必要とする。米国は古くからの同盟国を維持すると同時に、新たなパートナーも必要としている。だが米国のする事は全て自国の利益のためであり、自国の利益を犠牲にして他国に奉仕することはあり得ない。米国が他国に行う事は全て返礼を求めてのものなのだ。
「人民網日本語版」2012年6月13日