中国海洋石油総公司はこのほど南中国海の9区域を外国企業との探査・開発協力に開放すると発表した。また、海南省は西沙(英語名パラセル)諸島の4地区を文化遺産保護区に指定した。これらについて諸外国は南中国海での主権維持を強化するための「ひとまとまりの行動」と解釈している。人民日報系の国際情報紙「環球時報」が伝えた。
こうした決定は三沙市の設立とあわせて集中的に発表され、確かに「ひとまとまり」を形成している。だがベトナムやフィリピンがとっくに係争海域で石油・ガスの採掘に着手していることを考えれば、今回の中国海洋石油総公司の決定が南中国海における中国の自制の強さを示すものであることがわかる。中国は南中国海において絶対的な優勢にあるが、決して他国に激しく迫ることはない。
中国は「係争を棚上げにし、共同開発する」ことを長年主張してきた。だがベトナムやフィリピンはこれを取り合わず、単独で過激な行動に出て、今日のような状況を招いた。
中国には短期間で南中国海の地政学的状況を変える力がある。ベトナムやフィリピンはこのことをはっきりと認識しなければならない。米国は南中国海の戦略プレイヤーだが、ベトナムやフィリピンが意のままに動員できる力ではない。中米にとって南中国海における駆引きはグローバル戦略関係の一部であり、この関係の全体的性質によって決まるものだ。ベトナムやフィリピンの意思で変わることはない。
中国は南中国海でベトナムやフィリピンと過度に縺れ込むことに興味はない。大国である中国の関心はアジア太平洋、さらには全世界にまで及んでおり、南中国海は核心的利益の1つに過ぎない。もしフィリピンやベトナムが度を過ぎた挑発に出るのなら、彼らは中国の集中的かつ強力な対応を受ける準備をしなければならない。