北方四島(ロシア名・南クリル諸島)問題は日露間の領土問題であり、日露関係に重大な支障をきたす問題の一つだ。日本の歴代首相は戦後、同問題の解決を試みてきた。
野田首相も例外ではない。野田首相はメキシコのG20サミット期間、プーチン大統領と初の首脳会談を開催した。両国が北方四島問題の議論を再活性化させることで一致すると、野田首相は犬が好きなプーチン大統領に秋田犬をプレゼントし、「日露関係に重大な進展があった」と語った。
両国はまた、玄葉外相が今年夏に訪露し、北方四島問題の議論を継続することで一致した。今年9月にロシアで開催されるAPEC首脳会議において、日本は野田首相とメドベージェフ首相の首脳会談をセッティングする予定だ。さらに野田首相は年末に訪露し、北方四島問題の解決を促す構えだ。
北方四島問題の解決に希望が見え始めたと思われたが、サハリンの地元通信社は6月24日、「メドベージェフ首相が7月に択捉島を視察する」と報じた。同報道を受け、日本政府に衝撃が走った。
メドベージェフ首相は大統領就任期間、北方四島に対して実効支配を強化する一連の措置を講じた。まず、メドベージェフ首相は2011年2月、北方四島を「ロシアの戦略的地域」として位置づけ、ロシア国防相に駐留軍の増加、および設備の現代化建設を命じた。ロシア軍は北方四島に「T-80BV」戦車や新型装甲車を配備し、軍用空港を新設した。