フィリピンのエンリレ上院議長が現地メディアの取材に対し「渡り鳥が数羽生息していたというだけで、パナタグ礁(中国名・黄岩島、日本語名・スカボロー礁)の領有権を主張するのは極めて不合理だ」と発言したことについて、中国外交部の劉為民報道官は2日の定例会見で、「黄岩島は中国の固有の領土」との立場を強調した上で、世論を刺激する発言を控えるようフィリピン側に求めた。
劉報道官の発言は以下の通り。
-----黄岩島をめぐる情勢をどうとらえているか。事態の悪化を懸念しているか。フィリピン上院議長の「渡り鳥が生息していただけで」との発言についてコメントは?
「黄岩島をめぐる情勢はおおむね安定している。緊張の緩和に伴い、漁業監視船の数を減らしている。また、台風の季節が近づいているため、同海域の中国漁船に対し台風対策を行った」
「黄岩島の情勢はすでに緩和している。フィリピン側には、情勢の緩和や友好協力関係の発展に資することに取り組んでほしい」
「黄岩島は中国の固有の領土という事実に争う余地はない。世論を刺激する言論を繰り返し、情勢を悪化させることは控えてほしい」
「人民網日本語版」2012年7月3日