東アジアの安全保障に問題をもたらしているのは誰か

東アジアの安全保障に問題をもたらしているのは誰か。

タグ: 東アジア,安全保障

発信時間: 2012-07-12 10:17:38 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

東アジア地域は新たな安全保障秩序への移行過程にある。だがこの過程は域外パワーの介入によって不確定性を増している。覇権追求、武力拡張、集団対抗は行き詰まりを迎える古い道であり、こうした古臭い思考を固守する国は東アジアの安全保障に問題をもたらす最大の存在となる運命にある。(文:鍾声)

ASEAN地域フォーラム(ARF)の外相会議に世界の視線が集まり、南中国海問題の行方や東アジアの安全保障構造における中国の役割が大いに注目されている。これは東アジア地域が世界の経済の全局面に影響を及ぼす存在であることと関係があるが、より複雑な背景もある。

東アジアの安全保障情勢をどう見るか。東アジアの安全保障に問題をもたらしているのは誰か。こうした問題を整理し、明らかにして初めて、東アジアの安全保障情勢の本流を正確に把握し、様々なマイナス要素の妨害を自覚的に阻止し、より自信をもって東アジア地域の発展と繁栄を守り、促すことが可能になる。

東アジアは現在、歴史的な発展と変化の重要な時期にあり、国際的地位を著しく高めている。その一方で歴史的原因や現実的原因により、問題や試練もいくつか抱えている。だが東アジアの安全保障情勢は全体的に平和で安定している。この保障なしに今日の日の出の勢いの東アジアの発展もあり得なかった。南中国海問題が絶えず騒ぎ立てられているが、南中国海の航行は自由で、航路は安全というのが公認の事実だ。域内各国も域外の国も南中国海の航行の自由と安全の受益者と言うべきだ。一部の島や礁、境界の画定をめぐる争いと航行の自由は範疇の全く異なる問題だ。

中国はこれまで東アジアの安全保障に問題をもたらす存在になったことはない。中国は周辺国との領土、海洋権益紛争を適切に処理し、二国間の話し合いを通じた解決を常に堅持している。釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題であれ、黄岩島(スカボロー礁)対峙事件の処理過程であれ、中国は自らの核心的利益を断固守ると同時に、十分な忍耐心も保ち、大国として東アジアの平和と安定を守るうえでしかるべき責任感を示した。

中国は近隣国に善意をもって接し、近隣国をパートナーとする近隣外交政策を遂行し、アジア諸国の互恵協力の深化に尽力している。中国とアジア諸国の関係は良好な発展基調を呈し、様々なプラス要素に溢れている。2011年の中国の対アジア投資は200億ドル近くに達した。これは多くの国々が発展のボトルネックを打破するうえでの助けとなり、地域の経済協力を新たな段階へと押し上げる役割を果たした。確かに東アジア地域における中国の影響力は日に日に高まっているが、これは中国の過ちでもなければ、他国への脅威でもない。まさにニューアメリカ財団の専門家が指摘したように、中国の影響力はソフトパワーによるものなのだ。

東アジア地域は新たな安全保障秩序への移行過程にある。だがこの過程は域外パワーの介入によって不確定性を増している。あるフィリピン紙の電子版は先日の記事で「現在の緊張した情勢は領土紛争のみによってもたらされたものではない。その根本を突き止めると、真の衝突は主に地政学的なものであり、中国の経済大国としての台頭(最終的には政治大国、軍事大国化)、そして世界唯一の超大国である米国がこの過程を明らかに抑制または遅らせようとしていることと関係があるようだ」と指摘した。

東アジアの新たな安全保障秩序を構築するには、次のような意識の強化が必要となる。新たな情勢下の安全保障は冷戦時代の対峙と均衡による安全保障を遥かに超越し、伝統的意味における軍事安全保障や一国・一地域の安全保障も超越したものだ。1つの国が自らの発展を図るには、他国も発展させなければならない。自らの安全を図るには、他国も安全にしなければならない。自らの良い暮らしを図るには、他国にも良い暮らしをさせなければならない。協力の度量、イノベーションの精神、責任ある姿勢がなければ、調和の取れた安定した安全保障環境を築くことは不可能だ。

覇権追求、武力拡張、集団対抗は行き詰まりを迎える古い道であり、こうした古臭い思考を固守する国は東アジアの安全保障に問題をもたらす最大の存在となる運命にある。

「人民網日本語版」2012年7月11日

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