米国はアジア太平洋で策を弄してかえって失敗することに

米国はアジア太平洋で策を弄してかえって失敗することに。

タグ: 米国,アジア太平洋,釣魚島,尖閣諸島

発信時間: 2012-07-13 09:37:41 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

最近米国はアジア太平洋地域で立て続けに行動に出ている。クリントン米国務長官は先日、中国周辺国を続けざまに訪問して「アジア太平洋の民主主義について議論する時機は熟した」と大仰に語った。その発言は一方を仲間に引き込んで一方を叩き、一方を持ち上げて一方をけなす色彩、南中国海紛争を直接的に焚きつける色彩が濃厚だった。米国務省高官は9日、日本政府の釣魚島(日本名・尖閣諸島)「国有化」計画について、釣魚島は米国の対日防衛義務を定めた「日米安保条約」5条の適用対象だと表明し、東中国海の火種を増やした。米国はアジア太平洋海域で軍事演習も頻繁に行っている。こうした言動の矛先は火を見るよりも明らかだ。(文:黄晴・人民日報海外版上級編集者。同紙コラム「望海楼」掲載)

大国にとって自国の価値観と発展モデルの売り込みは、精神的優位を奪取するための一般的行為だ。だがうぬぼれすぎると効果はよくない。押し売りはさらによくない。ここ数年米国はイラクやアフガニスタンで強大な軍事力を用いて「民主主義を輸出」した。それなりに時間も経ったが、今なお災禍ばかりで成果は見えてこない。ソ連崩壊後、米国は「ショック療法」を処方したが、その結果はショックばかりで治療効果はなかった。長年米国の植民地だったフィリピンは米国文化が深く浸透していると言えるが、今日もなお見るべき経済・社会発展に乏しい。米国はこれについて実事求是の姿勢で総括し、分析し、自省すべきだ。米国式民主主義が世界を平和にするとの大口を念仏のように高らかに唱え、観念のトーテム崇拝をしてはならない。空論は役に立たないのだ。

クリントン氏は米国の「スマートパワー」の提唱者だ。そして「スマートパワー」はハードパワーの不足を示唆している。ハードパワーが不足しているために徒党を組み、焚きつけ、摩擦を利用するといった「スマートな」方法をとり、低コストで効率的に目的を達成する必要があるのだ。問題は、どのような「スマートな」方法も基礎的条件からは逃れられないということだ。例えばフィリピンは黄岩島(スカボロー礁)で騒動を起こし、逆に米国に金を求めた。米国は2000万を与えたが、フィリピンは「乞食を追い払うための金のようだ」とその額の少なさに不満を示した。仲間に引き込むにも相当の金が必要だが、現在米国は確実に資金不足だ。また、米国はベトナムを仲間に引き込もうとしているが、ベトナム高官は自国の地政学的位置についてよく理解しており「遠くにある水で近くの渇きはいやせない」と述べている。アジア諸国は馬鹿ではない。米国は自分の騙しの話術を余り盲信すべきでない。

地政学的条件は変えようがない。米国が遥か大洋を越えてアジア太平洋をかき乱すには高いコストがかかる。米国はこれについてはっきりと予測を行うべきだ。注目すべきことに米国の政府筋や戦略関係者もアジア太平洋戦略の得失について再考し始めており、「米国は現在3つの大きな過ちを犯している」との声も上がっている。第1に過度に中国をライバル視してアジア太平洋の構図を形作ることで、中国の反米感情を焚きつけ、さらには米中関係を対立のリスクに直面させている。これは米国の国益全体にとってマイナスだ。第2に「米国を引き込んで中国を牽制する」との中小国の衝動を刺激することで、米国のアジア太平洋戦略が第三国に巻き込まれ、最終的には「中東の砂漠」から抜け出してすぐに「果てしない南中国海」に呑み込まれる恐れがある。第3に「角を矯めて牛を殺す」で、アジア太平洋回帰に伴い西アジア、北アフリカ情勢の動揺を軽視することで、米国の中東戦略の二大基軸である「エジプト?サウジアラビア?イスラエル」と「エジプト?トルコ?イスラエル」のトライアングルに緩みが生じ、「こちらを立てればあちらが立たず」となる。

こうした見解の是非についてはここでは論じない。いかなる見解も歴史と実践によってのみ検証されうるからだ。だがこうした見解はクリントン氏の手法より理性的なように思われる。中国には「大巧は拙なるが若し」との格言がある。巧みさは真面目で控え目なものだということだ。だがクリントン氏の「巧みさ(=スマートさ)」は余りに露骨で、余りに表に現れている。嫁姑のだまし合い式のスマートさ、策略はあるが限られているスマートさだ。このようなスマートさは、策を弄してかえって失敗することになりがちだ。

「人民網日本語版」2012年7月13日

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