中国独特の政治はまた、その有する極めて大きな包容性に見られる。歴史上の政治制度は多元的な包容、という特性を備えているのである。歴史的に藩属制度や郡県制度などがあるが、今日の中国においては「一国二制度」と区域自治制度を実施することができる。大陸はすでに香港特区とマカオ(澳門)特区とより緊密な経済貿易関係を結んでおり、台湾地区との経済協力枠組み協定も発効している。改革開放の過程において、中国はまず一部の地域を豊かにし、それが他の地域を連動するようにしてきた。こうした思考は普通の国においては考えつかないことである。しかし、中国はわれわれが現在目にしているような、1プラス1は2を上回る、という極めて大きな成果を収めたのである。
中国の政治文化にある「全国は一体」とか、「一方に難あれば、八方が支える」といった理念。表面的に見ると、中国は中央集権ではあっても、いかなる改革も実験性を強調しているのである。点から面へと徐々に敷き広げていき、改革措置は実は地方の特色が非常に濃厚であり、互いに競争し、互いに補完し合う。長江デルタに位置する上海や江蘇省、浙江省、その発展モデルはそれぞれ非常に異なる。現代市場経済の三元構造である政府と市場、それに社会、その役割は地域によって違いがあり、経済構造もその差はかなり大きい。実際、中国全体がこのようであり、各地方も競争したり協力したりしながら、中国の奇跡の誕生を一緒になって推し進めているのである。
総じて言えば、中国は西側に学び、すでに強大なる現代的な政府体系を構築した。だが同時に、独自の政治文化も有しており、両者を融合することで、今日、西側の民主制度を当惑させているナロードニキ主義、短視主義や法条主義といった問題はより克服しやすくなる。時間の推移とともに、私は、中国の政治的智恵が人類の未来に与えるだろうプラスの影響を全世界がいままで以上に目にすることができる、と信じている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年7月29日