中国外交部の公式サイトによると、中国の温家宝総理は5日、訪中しているクリントン米国務長官と北京で会談し、「中国の主権と領土の統一を尊重し、中国の核心的利益と国民感情に配慮するべきだ」と訴えた。
温氏は両国関係について、「近年、特に世界的な金融危機が起きて以降、幅広い分野で意思疎通や協議を強化し、前向きな成果を挙げている。おおむね安定した発展を維持しており、双方の共同利益に合致する」と述べた。
さらに「世界で大きな影響力を持つ両国関係は、いかなる人物の主観的な意志にも左右されない。前進を続けるか後退するかは双方の努力にかかっている。社会制度が違っても平和共存や共同発展が可能なことは歴史を見ても分かる。重要なのは首脳が全局と戦略的高みに立って両国関係をとらえることだ」と指摘。その上で「米国は中国の主権と領土の統一を尊重し、中国の核心的利益と国民感情に配慮することにより、アジア太平洋地域の対話と協力で建設的な役割を果たし、平和・安定・発展の大局を維持するべきだ」と訴えた。
経済分野については、「厳しい世界情勢を背景に、大規模貿易・投資・金融に関する包括的協力を展開し、両国の企業にとって有益な環境を整えることにより、ウィンウィンを目指す必要がある」との考えを示した。
これに対し、クリントン氏も「両国は紆余曲折(うよきょくせつ)もあったが、立場を同じくする部分が多くある。金融危機への対応で協力を密にし、世界経済の回復に貢献した。中国が果たした役割をたたえる」と対中関係を重視する姿勢を表明。さらに「世界経済が低迷する中、両国は新たなチャンスと試練に直面している。ウィンウィンを目指すことは双方の利益に合致する」とした上で、「ハイレベル交流や民間交流を強化し、各種対話メカニズムの役割を十分に発揮させ、相互理解・協力を深めることで、両国関係の持続的な発展を図りたい」との意向を示した。
「人民網日本語版」2012年9月7日