中国外交は重大な業績を挙げた。中国は初めて対等な立場でG20など世界経済ガバナンスの重要な枠組みに参与し、世界銀行での投票権を第3位に高め、国際通貨基金(IMF)の出資割当額を第3位に高めた。大国関係をバランスよく推し進め、相互尊重と利益共有に基づく中米の協力パートナーシップは全体的に安定し、新しいタイプの大国間関係の構築の模索について重要な共通認識にいたった。中露の包括的・戦略的協力パートナーシップと各分野の実務協力は深化し続けた。中国とEUの包括的戦略パートナーシップは発展を遂げた。「隣国と親しくし、隣国をパートナーとする」中国の周辺外交は多くの成果を上げた。中国は周辺国の大多数にとって最大の貿易相手国であり、韓国、マレーシアのように中国を最大の輸出相手国とする国が増えてきた。途上国との伝統的親善と実務協力は時代に合わせて進歩し、BRICS協力も大幅に深化、拡大した。五輪外交、万博外交は申し分のない成功をおさめ、中国のイメージが一段と人々の心に染みこんだ。
中国外交は難事を恐れない。回避不能なもめ事を前に、中国は複雑な問題を処理する度量、能力、冷静で動揺しない力を示した。中国は朝鮮半島の核問題をめぐる6カ国協議を最初に提唱し、朝鮮半島やイランの核問題といった重大な問題において交渉と和解を促し、地域情勢の安定の維持に積極的な建設的役割を発揮して、国際社会から幅広く評価された。中国は周辺国との海洋権益係争、領土主権係争を適切に処理した。釣魚島(日本名・尖閣諸島)、黄岩島(スカボロー礁)などをめぐる外交闘争では領土主権を断固として守り、周辺の平和と安定の維持に尽力した。テロ対策、不拡散、気候変動、エネルギー資源の安全保障、アフリカの角の飢饉、東南アジアの津波など重大な国際問題の協議と解決に深く参与し、大国としての風格をはっきりと示した。
中国外交は人間本位だ。「民のための外交」を実践し、海外での中国人労務紛糾、中国公民の誘拐など各種領事保護案件は毎年3万件余りに上り、世界各地の中国公民が母なる祖国の温かい配慮を感じた。2011年には中央の統一的指導と関係当局の積極的な連携の下、戦争の暗雲が立ちこめるリビアから、共和国史上最大規模となる中国公民3万5860人を無事引き揚げさせた。中国公民のリビアからの引き揚げというこのシーンは世界を感動させた。ごく普通の労働者が、引き揚げの隊列に整然と並び、幸せな笑顔で国旗を振った。これは世界外交史上の奇跡であった。
「人民網日本語版」2012年10月11日