オスプレイの事故が多発する中、米軍は沖縄基地への配備にこだわってきた。これは海外基地での実戦とテストの機会を得ることが目的だ。一連の軍事演習と兵員の輸送を通じ、米軍は遠距離作戦能力の優勢を発揮し、同時に装備の技術的な問題を改善することが可能だ。この点から論じると、米軍は自らの利益ばかりを考慮していることになる。同輸送機により重大な事故が生じた場合、日本政府は国内からさらなる批判を浴びるだろう。
安全性が指摘されるオスプレイだが、その配備により米国の東アジアにおける軍事力の輸送能力を高めることができるため、メリットもある。
駐日米軍の中心は沖縄県および付近の海軍・空軍基地に置かれている。沖縄基地は韓国と朝鮮の北緯38度線から約600キロ、中国の上海から約800キロ、台湾島から約640キロの距離で、東アジアの中心地区と海上の航路を効果的に監視できる。作戦範囲の半径が約1000キロに達するオスプレイの沖縄配備は、東アジアの軍事力輸送時間を1時間以内に短縮することが可能と見られ、米軍が作戦の主導権を把握するための基礎となるだろう。
しかし作戦能力の比較、オスプレイの実戦能力を見る限り、今回の配備は依然として試験段階にとどまっており、実戦よりも戦略的な意義を持つ。
まず、オスプレイは12機しか配備されておらず、作戦能力の構造に質的な変化はない。同輸送機は、米軍が垂直軌道能力を強化する上で大きな役割を果たさない。また小規模な特殊作戦を行う場合、同輸送機で海兵隊の一部を輸送したところで、大きな意味はない。
次に、オスプレイの輸送能力はヘリコプターを上回るが、空対空・空対地の攻撃能力は高くない。騒音が大きく操作が難しく、戦闘時には海・空からの支援が必要だ。これは米軍のチームワークにとって、新たな課題となる。