だが具体的な実践においては、時期やポイントによって重点の選択が必要な時がやはりあり、3者の局部的な衝突もあり得る。国の政策の巨視的目標は社会の全体的移行を促進し、改革をより良く、より早くし、発展が追いつき、安定が見込めるようにすることだ。
中国の高度集権行政体制にはすでに2000年以上の伝統がある。だが1978年以降の改革はこれを突破しており、より多くの新たな経済・社会発展の可能性を国にもたらした。中国は活力を解き放っており、今日の政治体制はこの過程を実現する制御システムのようなものだ。それは常に精確とは限らないが、全体的に成功をおさめている。
近年中国では群衆事件が相次いでいる。これは群衆の利益と訴えがより明確化し、権威的な社会管理手法がしばしば効を奏しにくくなっていることが原因の1つだ。改革が2、30年前のように、1つの政策を打ち出せば万民が歓呼し、受益面が損益面を絶対に上回るものになることは、もう難しい。今日の多くの改革は利害の難しい計算に直面しており、過去よりもずっと天秤にかけるのが難しい。
だがそれでも改革を支持するというのが、依然として中国社会全体の共通認識だ。人々が実際に支持しているのは国家が前進し、問題を解決し、革新を続けることだ。中国の家庭が追い求めるものは世代を追って大きくなり、人口は発展した地域や機会のある地域へ流動し、インターネットは世界で最も魅力的なものを人々に見せ、社会の草の根の上昇志向が国家の現下の改革にとって重要な原動力となっている。
改革を熱望する国が元の場所で足踏みすることは決してあり得ない。改革観念の豊富化と成熟も長い間中国のたゆまぬ模索を支えてきた。中国は現代世界で改革が最も目覚ましい成果を上げている国だ。中国の改革は規模が大きいが、少しも鈍重ではなく、逆に相当見事な軌跡を残している。これが、この国が今後も改革を止めない理由だ。
中国と米国のどちらの指導部交代がより成功したかは、数年後にはっきりする。
「人民網日本語版」2012年11月2日