三洋電機の子会社化により、パナソニックは5000億円の損失を被った。その後4000億円を投じ、兵庫県尼崎市でプラズマディスプレイ工場を3カ所建設。これらの工場は2005年、2007年、2009年に相次いで操業開始し、毎月194万台を生産したが、昨年秋には2工場の生産停止が決まった。プラズマテレビは液晶テレビと比べ、技術的メリットがなかったためだ。2008年にはパイオニアと日立がプラズマテレビ用のパネル生産から撤退していたが、唯一パナソニックのみが投資を続け、深みにはまった。
将来性のあるスマートフォン分野も同様だ。パナソニックは2011年にスマートフォンで欧州に進出し、2015年度には海外市場でのスマートフォン販売台数を900万台とする計画だった。しかし、パナソニックの携帯は現地の通信業者および消費者のニーズに合わず、今年撤退を余儀なくされた。これにより同社は1000億円の損失を被った。
このように、起死回生を狙った大規模な投資が相次いで失敗に終わり、見返りが無かったばかりかむしろ巨額の損失をもたらした。これはパナソニックにとって大打撃となったが、政策決定層の重大なミスと言わざるを得ない。
第三に、パナソニックの経営モデルに変革の必要が生じた。「水道哲学(安価な商品を大量に供給する)」を提唱し、実践するパナソニックは、たとえ商品開発で遅れをとっても、生産力と販売力さえあればトップになれると考えてきた。数で相手を圧倒することが同社の必勝パターンだった。しかし企業がグローバル化する今、技術で世界をリードできなければ、すぐに市場から追い出されてしまう。このことについては、パナソニックの津賀一宏社長も「我々は価値観を変えなくてはならない」と強調している。
しかし、「安く、大量に」を目指す「水道哲学」から脱却した後、パナソニックはどこへ向かうのだろうか?日本の電機メーカーがほぼ総崩れ状態となった今日、パナソニックは活路を見出すことができるのだろうか?(編集SN)
「人民網日本語版」2012年11月14日