記者:前任の丹羽大使は赴任する前「愛国親中」という言葉を使っていたが、木寺大使は赴任する前はどのような言葉を使いたいか?
木寺大使:私は中国が好きな大使になりたいと思っている。
記者:大使は20年前に外務省中国課首席事務官としての経験があるそうだが、そのとき中国に対するイメージはどうか?
木寺大使:当時は日中国交正常化20周年だった。私の娘はその年に生まれた。もう二十歳だ。日本が他国に先駆けて中国に対する経済協力とかエネルギー借款とかいった支援をして、中国の改革開放を強く支援した。これが当時私が一生懸命やった仕事の一つだ。もう一つは、1992年に天皇皇后両陛下が中国を公式訪問された。天皇皇后両陛下は今もその訪問されたときのことを克明に覚えておられる。私はそのとき中国が本当に大歓迎をしていただいたことを強く覚えている。あのときを思い出しながら、さらに日中関係をいいものにしたいと思っている。
記者:中国に赴任したら、どのようなことを一番期待しているか?
木寺大使:私は地味な性格だから、中国に行って、外交にはマジックとか、ミラクルというのはないと思う。したがって、いろんな方に会って、できるだけ多くの方に会って、日本と中国が大局的観点に立って、仲良くしていくそして経済関係を進めていくことが、日本国民、中国国民、日本経済、中国経済のためになるのだということを説明して回りたいと思っている。
記者:今年は国交正常化40周年だが、釣魚島問題で中日関係はずいぶん後退してしまったが、大使はどう思うか?新しい中日関係の核心は何か?
木寺大使:私は(新しい中日関係の核心は)友好だと思う。中国では「井戸を掘った人を忘れるな」と皆さんはよくおっしゃる。まさに40年前にいろいろ苦労して、日中関係の新しい世界を切り開いたかたがたの苦労を思い出して、そしてこれから新しい関係をさらに伸ばしていきたいと思っている。