記者:二番目は尖閣諸島(釣魚島)問題。前任の丹羽大使が尖閣諸島について外交上の争いがあることは認めたほうがいいというような趣旨の発言をしたが、これについてどのように受け止めているかということと、海の上で偶発的な衝突が軍事的対立に発展するような分析が指摘されているが、これを防ぐ手立てについてはどういうふうに考えているか。
木寺大使:東京を出る前に、先週20日に日中友好七団体による新旧中国大使の歓送迎会を盛大に催していただいた。その場で丹羽前大使がそういう発言があったと、私もその場にいたので覚えているが、尖閣を巡る状況については、日本の外務省と中国の外交部の間で局長や次官のレベルでの話し合いは継続している。その話し合いから離れて私は軽々に日本政府の立場についてコメントすることは差し控えたいと思う。
不測の事態については、これはどうしても避けるべきというふうな配慮が、日本と中国の双方に必要だと私は思う。日本の外務省と中国の外交部の間で話し合いが継続されているけれども、そういう中でも不測の事態を避けるためにどうするかということは話し合われていくべきだと考える。日本としては、この状況を処理していく上で平和的に冷静に対応するというのは、累次表明している通りであって、そういった考え方がとても重要だと私は思う。
記者:三つ目は、中国の新しい体制が対日姿勢がより強硬になっているのではないかという見方が出ているが、これについてはどのように見ているか。
木寺大使:先月共産党大会があって、新しい人事が決まった。これからの中国の指導層にとっての重要な課題というのが決まった。これから春にかけて、実際のポストの交代が行われる。それから重要な課題についての方針が定められていくという中で、外交についても新しい政策が出てくるのではないかと。中国は近隣諸国との関係改善というのも方針としてすでに出しているので、そういうものを受けて、日本についても新しいのが出てくるのかなと注目して参りたいと思う。