今回の外遊を見る限り、安倍氏の「外交突破」からは中国包囲の意図が見て取れ、安倍氏が当時提唱した「アジアの自由と繁栄の弧」の陰が見え隠れしている。
日韓の間には、中日間と同じく領土問題が存在している。靖国神社参拝、慰安婦等の歴史的問題についても、韓国は中国と同様の態度を持っており、日本の軍国主義の復活を強く警戒している。日本の特使による訪韓は、中韓の分離を目的とするものだ。日本側は中韓が対日政策で協力し、ある種の同盟を結ぶことを懸念している。麻生氏のミャンマー訪問は、オバマ大統領からの啓発を受けたものだ。オバマ大統領は再任後の初の外遊先としてミャンマーを選択したが、日本も象徴的意義を重視してこれに倣った。ミャンマーはASEANで最も立ち遅れた国であり、海外からの承認と援助を最も必要としている国だ。中国とミャンマーが歴史的なつながりを持つため、ミャンマーに対して外交面から攻勢をかけることで、中国を直接的にけん引することが可能だ。
日本の外交が関係修復を実現する上で、最も重要になるのは中日関係の回復だ。しかし安倍氏の態度や一連の行動を見る限り、日本の対中政策は明らかに一時的な利益を目的とするものだ。安倍氏は中国との対立を緩和させ、中国との経済協力を再開させ、経済面で有権者の支持を獲得する必要に迫られている。その一方で、安倍氏は釣魚島問題で一歩も譲らないとしながら、対立をエスカレートさせないとしている。ところが安倍氏は外部で「アジアの自由と繁栄の弧」を提唱し、東南アジアの一部の国家を抱き込み、対中国戦線を形成し圧力をかけている。
安倍氏の対中「実務的外交」の本質は、非常に明らかだ。言うならばそれは、政治的な膠着状態を棚上げにし、経済的な利益をすべて手にしようとするものだ。どのような口実を用意しようとも、この非常に功利的な仮想は日本側の独りよがりな願いに過ぎず、これにより日本が苦境を脱することはありえない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年1月5日