西側諸国では文明の変遷に関する研究は長い歴史があるが、文明発展の多元性という観点が主流となったことはない。これは近代以降、西側の資本主義生産様式が「先進」と「発達」の象徴となったことが原因だ。西側の成功は人類文明の発展に貢献したが、文明の発展に対する認識を「制約」もした。こうした制約は西側の根深い文明上の優越感となって現れ、植民と強大な思想・文化の伝播によって中国のような後発国に影響を与えた。
歴史の暗い影と現実の困惑によって、発展途上国の民族的自尊心・自信は低下した。現実の「思想的植民」は根深く残っている。近年、一部の途上国は自らの発展の道の模索を放棄し、盲目的に西側モデルを踏襲し、かえって混乱局面に陥った。
歴史を西側文明の成功の歴史に変え、西側が次の走者に自由のトーチを渡すリレー競技に変えるのはミスリードだ。中国は30年余りの改革開放の輝かしい成果によって、単線式の文明史観を打ち破った。中国の道の意義は西側民主体制に取って代る妙薬を世界各国に出すことではなく、良い統治のモデルは多元的であり、各国ともに自国に適した発展の道を見出せることを実践によって証明することにある。
「もう1つの文明がすでに西側と肩を並べている。彼らは多くの分野でわれわれより一段と勝っている。彼らは成功への渇望で胸を満たし、未来への揺るぎない自信を抱いている」。英紙フィナンシャル・タイムズのこの論説は当を得ている。
「人民網日本語版」2013年1月9日