米国がアジア太平洋で新冷戦構造を構築する過程で、最も積極的な姿勢を見せているのは日本だ。米国のお先棒と戦略の最前線に喜んでなろうとし、あちこちで首を突っ込み、戦略網を築こうとしている。日米の戦略関係が中国抑圧の一点において高度に統一されていることは明らかだ。だがこれはその代償に反ファシズム戦争の勝利の成果を犠牲にし、アジア太平洋の平和の政治的基礎を破壊するものであり、アジア太平洋情勢を激しく動揺させることは必至だ。
実際にはアジア太平洋の多くの国は新冷戦に反対している。米国が新冷戦構造をつくろうとする中、日本のような国はごく少数だ。アジア太平洋の多くの国は明確にどちらかの側につくことを望まず、小国として大国に対して勢力均衡政策を行い、アジア太平洋地域において大国間の戦略的均衡を図ることで、自国の安全性を高め、利益を図る余地を広げることを望んでいる。
もちろん情勢は並外れて複雑であり、チャンスと試練が併存している。米国にとってアジア太平洋は唯一の、いかなる時期においても最大の戦略上の重点というわけではない。現在米国は欧州、中東、アジア太平洋のいずれも欠かすことのできない局面に直面している。
アジア太平洋は世界の地政学上の重心であり、中国にとっては開拓進取の主たる方向性であるとともに、外的脅威の主たる来源でもある。アジア太平洋の地政学構造には現在、第2次大戦以降最も深く複雑な変化が起きている。中国がアジア太平洋を世界の地政学戦略の重点とすべきであることは間違いない。アジア太平洋の新旧構造の過渡期には、不確定性と可塑性が同時に存在する。
アジア太平洋の地政学構造には現在歴史的変化が起きている。プラスとマイナスの両面の闘争が交錯し、複雑さが際立っている。各勢力はいずれも自らの位置を改めて確定することになる。斬新な構造が長期間の激しい闘争と動揺の後に形成される。中国はこの過程で主導的、積極的な役割を発揮して、この変化の正しい方向への発展を促すべきだし、その条件も備えている。
「人民網日本語版」2013年1月11日