■「大陸の海洋監視船はわれわれのしんがりを務めた」
「全家福」は同日夜10時に新北市深澳漁港に帰港。乗組員たちは下船するや待ちかまえていた報道陣多数に取り囲まれた。「全家福」は左側の船灯がほぼ全損。船室内はぐちゃぐちゃで、床はガラスの破片でいっぱいだった。浸水のため、エンジン1つを含む重要器具多数が損壊していた。
黄氏は「日本は寸鉄帯びぬ台湾の保釣活動家に、悪辣で横暴なやり方で対処した」と指摘。保釣メンバーは3カ月後、海の状況が好転するのを待って、再び保釣活動を発動する可能性も排除しないと表明した。
「釣魚島の領有権を守るには両岸が連携してこそ効果的だ。台湾だけではお手上げだ。したがって大陸の海洋監視船が来たことは事実上、われわれを勢いづかせ、しんがりを務めるものであり、大変な喜びと安堵を覚えた」と黄氏は語った。「両岸の民間の連携による保釣は2003年から現在までずっと行われている。現在民間の保釣には何ら問題はない。台湾政府側がどうしたいのかが大きい」。
今回の状況から見て、台湾当局は依然「両岸の共同保釣はあり得ない」という立場を固守している。馬英九は昨年8月に日本メディアの取材にこの立場の恪守を約束して、党内世論から「媚日」「北洋軍閥にも劣る」と批判された。台湾中国文化大学の邱毅教授は、馬英九のこの言動について「米国に釈明するため」と分析する。