■日米同盟は堅固ではない
朝日新聞によると安倍氏は今回の訪問によって「日米が堅固な同盟関係を回復したことを明確に世界に示す」と表明した。日本経済新聞によると、安倍氏は米戦略国際問題研究所(CSIS)で「Japan is back」と題する講演を行い、日米同盟重視の姿勢を明らかにする。日米同盟は民主党政権期に普天間飛行場移設問題のために弱体化した。安倍氏は就任後「日米同盟は日本外交の礎であり、強固にしなければならない」と繰り返し表明している。
安倍氏の今回の訪問では釣魚島紛争、朝鮮の核実験などの問題も議題になる。こうした問題において、日米双方の立場は完全に一致しているわけではない。釣魚島紛争では、安倍氏は日本支持の再確認を米政府に望んでいるが、米国はこれ以上緊張をエスカレートさせず、中国側と対話を再開することを日本に望んでいる。朝鮮の核実験問題では、米国は韓国との関係を改善して、ミサイルや核の脅威に対する統一戦線を築くことを日本に望んでいる。
米メディアの指摘によると、中国との釣魚島紛争や朝鮮の核実験のため、日本は対米依存を深めている。安倍氏の今回の訪問の重点の1つは、アジアで強大な米国のプレゼンスを維持することで、「不測の事態」が生じた際に実効性ある抑止力と援助を提供してもらうことにある。だがオバマ大統領は日本との同盟関係の強化を必要とする一方で、中国との健全な関係の発展も必要としている。米国のある学者は「日本の新政権は日米同盟の強化を望んでいるが、問題となるのは米国の注目するTPPや在日米軍基地問題で日本が譲歩できるかどうかだ」と指摘する。
安倍氏の訪米はTPP参加に関する新たな論争を日本の与野党に引き起した。民主党、日本維新の会、みんなの党がTPPへの参加を求める超党派議員連盟の設立準備を進める一方で、自民党内では党員230人余りがTPP参加の即時撤回を求める会を設立した。安倍氏は19日、今回の訪米では「TPP交渉参加の前提条件をまず確認する。関税の保護を受ける具体的な農産物リストに関する交渉は行わない」と表明した。安倍氏はこの問題について7月の参院選前には決断しないとしている。
■「なれなれしく取り入る旅」で目的達成は困難